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熱血!!特撮一直線R 「魔人ハンター ミツルギ」

2006年06月21日[01:36:46]
変身ブームが絶頂期を迎えようとしていた昭和48年、「吊りとヌイグルミがお家芸」と言われる日本特撮界にあって、その特撮部分をモデルアニメーション(本作品ではアニクリエーションと呼称)という手法で撮影したひとつの作品がある。25cm程度の関節が自由に動く人形を使い、1コマずつ撮影したこの作品こそ放映期間わずか3ヶ月、全12話で完結した異色特撮時代劇「魔人ハンター ミツルギ」である。
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江戸時代の日本の平和を守るミツルギ一族と日本征服を企む魔人サソリ(即身成仏のミイラそっくり)の戦いを描いた本作品、以前は目にする機会がほとんど無かったが、最近ではDVD化がされたりCS放送されたりと、わりと視聴しやすくなった(こんなマイナー作品にも光が当たるいい時代になったものだと思う)。
 
特撮パートでは何といっても第1話「宇宙忍者サソリ軍団をつぶせ!!」のクライマックスの戦闘シーンが最大の見どころだろう。放映第1話だけあって画面からもその力の入れ具合がうかがえる。敵怪獣デノモンのヨロイがはがされ、中から本体であるガイコツが現れ、なおも戦闘を続けるシーンは圧巻。おそらく「シンバッド7回目の航海」(1958年)や「アルゴ探検隊の大冒険」(1963年)のガイコツ兵士を参考にしているのだろう。
 
続いて造形やデザイン的な部分を見てみると、四つ足怪獣ゴールドサタン(第2話)やムカデ怪獣ムカデラー(第3話)、地震怪獣グラグラン(第5話)など人間が入る事を前提に作ったヌイグルミでは到底表現できない体形の怪獣造形で、ここにもモデルアニメの特色が出ていて興味深い。
 
その他、真っ二つにされた秘剣が復元するシーン(第10話)、わら人形が人質を救出するシーン(第2話)など忍術の表現にもモデルアニメが使用されており、面白い効果をあげている。
 
また、みどころと言うより笑ってしまうのは最終回12話、ミツルギ一族の長老、道半が一族の守り神である黄金大仏を出現させるために必死の祈りを捧げ、絶命してしまうシーンだろう。このシーンは何回見ても怪しげな宗教にとりつかれた〝イッちゃったおじいちゃん〟にしか見えない。
 
以上、色々な意味で楽しめる「魔人ハンター ミツルギ」全12話は一見の価値がある。
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